ハムとゼリーとトマト

子供の寝かしつけ創作ばなし ©下唇マルオ

#10 はぐれ島に行く(嵐の航海)

ハムとゼリーとトマトは

いつものように冷蔵庫の中でダラダラしていると

外からジョージの声が聞こえました

 

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「お父さん! カリブ海無人島で宝物が発見されたって!」

「なんだって?本当か?」

「持って帰ろうとすると、船が沈没するんだって」

「テレビの見過ぎだぞジョージ、もう寝なさい」

「僕も行きたい!連れて行ってよ」

「何を言っているんだ!そんなデタラメな話があるわけないだろう」

 

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ハム 「おい、今の聞いたか?宝島だって」

ゼリー「本当なの?嘘っぽわよ?」

ハム 「確かめに行ってみようぜ!」

 

冒険がしたくて仕方がないハムは興奮しています

 

ゼリー「でもどうやって行くのよ カリブ海ってどこ?」

トマト「南の海だよ 家の前の川を下って行けば繋がってるよ」

ハム 「ホントかトマト? よしそれじゃあ行こう!」

ゼリー「でも、船が無いわよ」

トマト「寝室にカティーサークの模型があったな」

ハム 「あれなら3人で乗れそうだね」

 

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そうして3人はその日の夜に

宝島に宝物を探しに行くことにしたのでした

 

家のみんなが寝静まったあと

こっそり寝室に忍び込み

カティーサークの模型を盗み出しました

お父さんの趣味の模型でした

3人が乗れそうな大きな船です

 

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 家の前の川に浮かべ

さあ船に乗って出発だ!

 地図を見て宝島をめざします

 

船長はハム

操縦士はゼリー

トマトは見張り役です

 

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順調に川を下っていくと海に出ました 

ハム 「わーい!海に出た!」

トマト「凄い!僕たち海賊みたいだね」

ゼリー「見て!あっちでいるかがジャンプしているわ!」

 

3人は釣りをしたり

バーベキューをしたりして

航海を楽しんでいました

 

ゼリー「このまま進めば明日の朝には宝島に着くわ」

ハム 「じゃあ今日はカタミノをやって もう寝よう」

 

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トマト「ハム、大変だ! 向こうに雷雲が見える!」

ハム 「なに! まずいぞ嵐が来る!」

 

3人は大パニック

ハムは剣を振り回して叫んでいます

ゼリーは樽の中に隠れてしまいました

トマトは何やら船の中を調べています

 

そしてまもなく嵐がやってきました

激しい雨が降り 雷も鳴っています

波は高くなり 船は大きく揺られています

 

トマト「みんな!このロープを体に巻くんだ」

ハム 「これはいい! 海に投げ飛ばされても大丈夫だね」

ゼリー「投げ飛ばされたくないわよ」

 

トマト「あとは船を全速力で走らせるんだ! ここにボタンがあった」

ハム 「なんのボタン?」

 

ハムがポチッと押すと

船は急にスピードを上げて進みました

 

 

 

 

 

 

 

 

どれ程の時間が経ったでしょうか

みんな必死にしがみつき嵐と戦いました

 

そうして雨がやみ

揺れがだんだんと無くなっていきました

 

みんな頑張って嵐に勝ったのです!

ハム 「やった! やったぞ!」

ゼリー「船は壊れてないかしら」

 

 トマト「みんな あれを見ろ!」

そして目の前にはついに宝島が現れたのでした

 

つづく

 

©️下唇マルオ