ハムとゼリーとトマト

子供の寝かしつけ創作ばなし ©下唇マルオ

アーチェリー

f:id:maruo_underlip:20210627202544p:plain

 

もう少しでオリンピックです

オリンピックにはオリンピックでしか見られない競技がたくさんあります

今日ご紹介するのは「アーチェリー」です

 

棒を的に突き刺すゲームです

 

日本語でいうと「あーサクランボ」になります

昔ヨーロッパで息子の頭にリンゴを乗せて棒を突き刺すゲームが流行りました

男の度胸とプライドをかけた戦いです

最近では「男の〇〇」という思想が世界的に禁止になり

何より児童虐待だという声が匿名で多数よせられたことから

このゲームは姿を消しました

 

当時 意地のぶつかり合いがエスカレートし

リンゴのサイズがどんどん小さくなる傾向がありました

そしてウイリアムテル伯爵がついにサクランボを導入したのです

ほぼ悲鳴に近いものがありました

しかし誰一人として息子の命を落とすものはいなかったそうです

やはり昔の人は気合と根性が違います

 

さてオリンピック競技の「アーチェリー」ですが

「棒で刺す」技能を競い合うことに焦点を絞りゲームをリニューアルさせました

サクランボと息子は「同心円状の的」に姿を変え中心からの距離をポイント化しました

一本勝負を複数回に増やし合計得点でその技能を表すことにしました

また的の距離もどんどん遠くにし簡単に当たらないようにしました

このおかげで勝負が決まらないからと言って「的がどんどん小さくなる」という

過去の苦い経験をくりかえずにすみました

 

ここから派生した競技に「ダーツ」があります

目が悪い人は的が遠すぎて見えないので「逆に近づけた」と言われています

弓矢も仰々しいので短い棒になりました

今度は近すぎて勝負がつきにくいという問題が発生しました

なので的を細かく区切って点数の仕組みを複雑にしました

あまりに複雑すぎるので多くの人はルールを理解することができず

未だにオリンピック競技になるには至っておりません

 

ぜひオリンピック本番では

選手が「的を何に見立てて狙っているか」をよく想像しながら

観戦を楽しんでください