ハムとゼリーとトマト

子供の寝かしつけ創作ばなし ©下唇マルオ

スケートボード

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もうすこし寝るとオリンピックが始まります

「にわかオリンピックファン」にならないように

今から競技を覚えていきましょう

 

今日は「スケードボード」を解説します

日本では「スケボー」と呼ばれています

スケボーをする少年のことを「スケ坊」と呼びます

 

まさかスケボーがオリンピック競技になるとは誰が思っていたでしょう

というのも そもそもスケボーはスポーツではありませんでした

「刑罰」の一種でした

 

昔炭鉱が盛んだった時代に

「トコッロ」と呼ばれる乗り物がありました

石炭を入れた箱に車輪をつけて線路の上を走らせるやつです

 

悪いことをした人をトロッコにのせ坂の上から突き落とします

自分で止めることができませんので下るところまで下っていきます

その先が草むらか 池か 火の海かは刑罰の重みで異なります

 

やがでトロッコは線路が取っ払われ 箱の側壁が低くなり

板に車輪を付けただけの乗り物になりました

こうすることで坂を下りおりる恐怖を増大させていきました

 

昔からどこの国でも公開処刑には大勢の人が集まります

日本のはりつけ(磔の刑)、ヨーロッパのギロチン(斬首刑)も然りです

悪党の不幸は昔から一般市民の好物だったのでしょう

 

ロッコから進化したこの「突き落としの刑」にも大勢の人が集まりました

 江戸末期に伊賀か甲賀の忍者の末裔か誰かが不運にも処刑されことになりました

縄で体を縛られ 板に車輪を付けたやつ(もうこれをスケボーと呼びます)に

乗せられ 坂の上から突き落とされました 坂の下には竹槍の落とし穴が待っています

 

しかしその忍者は縄を解く術を心得ており 素早く縄を解くと

スケボーを巧みに操り見事に大ジャンプ

竹槍の穴に落ちることを免れたのです

見ていたギャラリーは大盛り上がり これがスケボーの始まりです

 

ちょっと悪な子供たちは この忍者の真似をして

自作のスケボーを作り 坂を滑走したりジャンプしたりと

その技を競い合うようになりました

 

オリンピックでは

「これは何かの刑罰だった」という背景を知りながら見ると

より興奮すること間違いなしです 

  

 

 

 

本解説はフィクションです