#1 モーニングはサンドウィッチ
ある日の夜のことです
ハムとゼリーとトマトが冷蔵庫のなかでお話しをしていました
すると冷蔵庫の外のリビングからお母さんの声が聞こえました
「ジョージ 明日の朝ごはんはなにがいい?」
「えーと ぼくはサンドウィッチが食べたいな」
「確かハムとトマトがあったから丁度いいわ」
それを聞いたハムとトマトは大慌て
「まずい! 僕たち食べられちゃう!」
「どうしよう! どうしよう!」
冷蔵庫の中をドタバタ走りまわっています
「そうだ! 冷蔵庫の奥のほうに隠れよう」
とトマトが言いました
「うん! あしたの朝 見つからないようにね」
とハムも言いました。
トマトはミルクちゃん(姉妹)の後ろに隠れました
ハムはビールやジュースの缶に紛れて隠れました
「ここなら見つからないだろう」
「これで安心して寝られるね」
そしてその夜が過ぎました
次の日の朝 ドキドキして待っていると
リビングから声が聞こえてきました
「ジョージ 冷蔵庫から ハムとレタスとトマトを取ってちょうだい」
「はーい お母さん」
さあいよいよジョージが近づいてきました
「ついにドアが開くぞ」
「二人ともしっかりね」
ゼリーも心配そうに見守っています
そして冷蔵庫のドアが開きました
ジョージがハムとトマトを探しています
二人は息をひそめています
ジョージはしばらくキョロキョロしたあと
「お母さーん ハムとトマトがないよう」
「あらへんねぇ 買っておいたはずだけど」
「じゃあタマゴサンドでいいや」
と言って代わりにタマゴを取っていきました
やった! 二人の作戦は成功しました!
ハムとゼリーとトマトは大喜び
「二人とも うまくいったわね」
ゼリーが言いました
すると再び冷蔵庫のドアがひらき
「ぼく このゼリー食べたい!」
ジョージはそう言うとゼリーを取っていきました
つづく
まさかゼリーが取られるとは
完全に油断してましたねゼリー
デザート系はいつなんどき食べるかわかりません
朝だからって油断しないように心がけたいものです
©下唇マルオ